Chaser
JoWooD Productions / Cauldron, 2003

西暦2044年、記憶をなくした男が空から降ってきた。ほんの数時間前、宇宙基地 Majestic で目を覚ました彼は、誰かにおはようの挨拶をする間もなく銃撃戦の末数十人を撃ち殺し、脱出ポットで地球へ辿り着く。Montack市警察軍は Yakuza 根絶に乗り出していた 「JapどもがBig Dragonと名乗る連中と会合を持つらしい」 作戦会議で指揮官は繰り返しJAPと言い放つ。自分は何者で、一体なぜ追われるのか? その答えを柔らかなベッドの上でじっくり考える暇はなさそうだ…火星を牛耳る独裁企業、陰謀とビデオとテレビが渦巻く自分探しSFアクション。人は彼を、Chaserと呼ぶ。


例え5割引でも、この立地条件では… Montack City の無法地帯、Little Tokyo のアンダーグラウンド。Devastation: RBR にも登場した 「5割引ヨリ」、秋葉原ロケットの広告看板である。
リリース遅すぎたって? 大きなお世話よ Shimako Sakai、比類なきスーパーアングラハッカーは地下研究所で Chaser を待つ。頭に埋め込まれた”Spider”をほじくり出せるのは、彼女だけだ。
無表情で逝く女 そして顔出し150秒後、敵の急襲により Shimako の人生終了。”Spider”をほじくり出す僅か数分のカットシーン、それが彼女に許された出番だった。
うつむいて歩く男 Montack市警察軍がJAPJAPJAPと繰り返して憚らないYakuza の親分 Ogawa-san。Little Tokyo 支配状況に関しBig Dragon首脳と秘みつ会議中。
都会のオアシス 枯山水の敷砂うねり、怪しい光をたたえて揺らぐ水面。Nippon Hotel の屋上に雅な和風建築。特殊部隊一行 Ogawa-san の本拠地へ強行突入。
狙いを定めるヤクザ Yakuza 構成員らとの死闘、障子を朱に染め畳に肉片を散らす壮絶な銃撃戦。和室+ヤクザ、以前は新鮮味もあったフィーチャーだが今となっては。
ふっとぶヤクザ 開発元が満を持してお披露目するCloakNTエンジン、最先端のグラフィック技術で広大な Nippon Hotel の廊下に畳を敷くということも可能なのだ。

東欧系ディベロッパーの新星、スロバキアに居を構える Cauldron社、そしてアメリカ・フロリダ州を軸足に、なんでか日本の岐阜にも支社を持つ Digitalo Studios社。一見何の繋がりもなさそうに思える両ソフトハウスが、意外なところで結び付きを持っていた。「5割引ヨリ」 という絆である。彼らはマップ作成にあたり、同じ資料写真を見ていたのだろうか? 本作品と Devastation: RBR 双方に登場する秋葉原ロケットの看板を比較すれば一目瞭然、明らかに同一の素材である。

もちろん、「5割引ヨリ」 看板を収めた写真が複数存在していても何ら不思議はない。しかし探せばどこにでもある、という画像でもないだろう。例えば、多国語に翻訳された売れ筋の日本のガイドブック、秋葉原を紹介する同じページを見ていたのでは…と考えても無理はない筈だ。こうした素材の”重複”にはいくつか先例がある。
DaikatanaTwisted Metal 2 には 「ビデオ オーディオ マイコン」 の横断幕(看板)が、更に 同じくDaikatana、Devastation、Freelancer には 「旭寿司」 という共通項が確認されている。現在、この”同調現象”は至急案件として調査中だ。

遠い国の住民ならではの無頓着さか、NPCの台詞にJAPという単語を使うセンスは、特に在米の企業ではあり得ないだろう。ゲーム序盤の Little Tokyo。非常に稀有な舞台である。ジャンルを問わず、チャイナタウンが描かれることはあっても、リトル・トーキョーを見掛けることは殆どない。それだけに、中盤から後半にかけて延々と続く宇宙ステーションや刑務所は非常に苦しいものとなる。火星なんか行きたくない!真実なんか知りたくない!俺は小東京に居たいんだ! シマコ!

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

JoWooD Productions (発売元)
Cauldron (開発元)
ある日系アメリカ人一家の記録 (移民の世紀)
ことばの散歩道 (隣の国の話)
季刊 島田荘司 on line (原書房内)


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