Time Gate
Chapter1: Knight's Chase

Infogrames Maltimedia, 1996

パリで法律学を学ぶ主人公が、囚われの身となったフィアンセを救うべく現代と中世を駆け巡る未完の大作。Time Gateと題されたシリーズ物の第一弾という位置付けだが、続編はついに発表されなかった。Infogramesのお家芸、Alone in the Dark三部作の流れを汲んだ視点切り替え型のアクションアドベンチャー。舞台としての日本が登場するわけではないが、ゲーム序盤、フランス国民が我々をいかに捉えているのかということを知る上で重要な、非常に興味深い描写が存在する。


1/3 主人公はドイツのとある美術館に足を運ぶ。すると仕切られた一角にカメラを持った男とその前にワンピース姿の女性が一人、何かやっているようだ。
2/3 近づくと、突然2人は「あっちへ行け」と言わんばかりに甲高い声を張り上げ、逆方向を指差す。意味をなさない悲鳴のような効果音が虚しく響き渡る。
3/3 驚いて思わず後ずさりする主人公。画面左端にはJapanese television!! (日本のマスコミ連中だ !! )などという、主人公の独白が字幕で挿入される。

これがフランス国民に共通した、ごくありふれた日本人観であるとすれば、本当に悲しむべきことと言わねばならないだろう。こうしたジョークが成立する背景に、大多数の共感や既成事実が裏付けとして存在しているであろうことは想像に難くなく、東洋人の存在を”味付け”程度に用いる作品が大多数を占める現状にあって、人格的な部分にまで言及した内容に考えさせられる点は多い。

開発元であるInfogrames社は、フランスに拠点を置くヨーロッパ最大のソフトベンダーである。彼らのホームグラウンドに大挙して押し寄せ、騒ぎ、はしゃいで、下品な笑いと共に帰って行く日本人。軽薄なマスコミ大衆への皮肉。バブルの傷痕はこんな所にも深刻な問題を残している。これが普遍的に受け入れられる一つのネタになってしまうこと自体、異常な事態ではないのだろうか。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Inforrames Maltimedia (開発元)
中年PCゲーマーのページ (タイムゲート攻略)
Le site de SachikoTanaka (上智大学助教授)


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