Midnight GT
Rage Software, 2001

赤く滲んだテールランプに追いすがる。ショベルカーのアームがゆっくりと回転する工事現場、物憂げな誘導員の黄色いベスト。真新しく盛り上がった白線が交錯し、迫り来る中央分離帯。アスファルトに焼け付くタイヤ痕、しおれた花束、色褪せたジュースの空缶。ひしゃげたガードレールに薄く消えかかった丸文字…たっくん、天国から見守っていてね!日本の走り屋をモチーフにした真夜中の公道バトルを、イギリス人がゲームにしました。さあ、ミッドナイト・リーグの星を目指して爆走だ。


交錯する影、圧巻の光源処理 薄い雪化粧がスリップを誘うSumida Hillsの峠道。それは走り屋にとって絶好のバトルフィールド。ライトアップされた城と仏像が闘いを静かに見守る。
日本医科大学 一見すると中華料理店、だが日本医科大学と書いてあるのだからそれは日本医科大学なのである。スクラッと書いてあれば、スクラッなのである。
真夜中のMidnight 真夜中のタペストリーが揺らめく水銀灯。疾走する高速道路の車窓から。ロード画面には 「真夜中GT」 と和訳されたロゴが堂々と表示されていた。
毎日が多重衝突事故 暗い森に囲まれた街外れ。寂しげな国道を突き抜け、ビルの林立する繁華街を目指すShowa-Dori。庶民の足 げきりゅうバス。あまり乗りたくはない。
近親憎悪 まっすぐ行けば青梅、左折すると小金井、右折して清瀬に至る道路標識。筆者に親しみ深い土地ばかりで、何だか逆に居心地が悪い。地元萎え
大 コース概要によれば、ここはShin Oshai-Don通りのインターチェンジ。手抜きとしか思えない、子どもの落書きのような看板がいくつも聳え立っている。
団地との…れた工機? 寺社風建造物の道路を挟んで向かい側、参拝記念の土産物屋をイメージしたであろう、小さなお店が連なっている。半纏と団地を売っているようだ。
台無し Yasuda EngineにHeidan Motor。架空の日本車メーカーによる、いつかどこかで見たようなデザインのスポーツカーが多い。アニメチックロードスター。

きっと、とんでもないことになる。そう思っていた。日本の走り屋が、日本の街を走るゲームを、イギリス人が作って、ただで済むとは到底考えられなかったからだ。”日本らしい街並み”を、彼らはどう描くのか。単純に高層ビルを並べただけでは、どこだか判ってもらえない。神社や仏像を混ぜてみるのもいいが、今度は中国と区別がつかなくなってしまう。そこで大抵のガイジンさんは、一生懸命拾い集めた大量の日本語素材を嫌というほど大量に貼り付ける、そんな失敗を犯しがちだ。

「日本語たくさん使って、もっとエキゾチックジャパンにしたい!」 当該タイトルはこの悪魔的な誘惑に、かなり際どい所で打ち勝っている。レースに集中してさえいれば、ここに挙げたような看板群もほとんど気にはならないだろう。「日本の少年たちによる夜間暴走行為を扱った、数年前のドキュメンタリー番組からコンセプトが生まれた」 製作者へのインタビュー記事にはそうある。毎年飽きもせず、
ゲイシャ・マイコ特集を組んでいるらしいBBCあたりが、いかにもやりそうな題材だ。

今回評価に用いたのは Inno Vision社製のビデオカード、Tornado GeForce2 に付属の先行バンドル品(6コース10車種を収録)であり、更に幾つかのコースが付加されるらしい製品版では、マイナス方向への逆転現象も起こり得る。今般のご報告はあくまでプレビューという位置付けに留め、後日改めてリリースバージョンの調査を行う予定だ。願わくば彼らの理性が勝利を収めんことを。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Rage Software (開発元)
Nippon Medical School (日本医科大学)
Bridge Japan (ニュース屋さん)
Mapion 情報地図コミュニケーション (地図屋さん)
InnoVision (ハード屋さん)


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