No One Lives Forever
Fox Interactive / Monolith Productions, 2000

ポップでキュートな女スパイ、レトロチックでおしゃれなゲームフィールド、小気味良いストーリー展開、そして実に爽やかな殺人描写。SHOGO以降のMonolith Productionsを支配する、そこはかとない”オタク的感覚”が見事に昇華した、3Dアクションシューティングの快作。往年の007シリーズやThe AvengersAustin Powersに代表される、ゴージャスかつデラックス、しかしどこかチープな60年代テイストへ捧げる大胆なオマージュ作品。一連の東洋趣味的オブジェクトが彩りを添えた。


女諜報員 スパイのための秘みつ道具や、スパイのための秘みつ訓練を行う、諜報機関の秘みつ基地。凄腕の女スパイCate Archerが次なるミッションに挑む。
一期一会 訳あって、とある巨大企業の本社ビルに潜入した凄腕の女スパイCate Archerは、幾多の敵と、あと、幾多の掛け軸、幾多の一期一会と遭遇する。
顔面直撃 鳥居と水墨画、猪おどし、障子、苔むした岩、凄腕の女スパイCate Archerに殺られる敵兵の完全なる調和。枯山水の柔らかく落ち付いた味わいだ。
和数清了?(読解不能) いつ果てるともない熾烈な銃撃戦。”結局最後はみんな死ぬ”。一期一会に相通ずる意味合いを、凄腕の女スパイCate Archerは感じているのか。
いっぱい殺そう! これだけの人間を殺して悲壮感ひとつ漂わず、全編を通じあくまでポップでキュートな凄腕の女スパイCate Archer。ほとんどピクニック気分である。
高級懐石 無門庵 まるで一見さんお断りの懐石料理店。こんな職場で働ければ、仕事の能率もさぞかし下がることだろう。階段を駆ける凄腕の女スパイCate Archer。
竹の華 オフィスの片隅に熊笹の植え込みを配した心憎い演出。凄腕の女スパイCate Archerの機関銃がオレンジの華を咲かせる、まったく無意味な構図だ。

実に不思議な展開である。ゲーム中、Dumas Industrial Enterprisesと名付けられたこの架空の企業組織には、日本や日本人に関係することなど一切言及されてない。にもかかわらず、そのレベルデザインはダイハードに登場する日本企業の高層ビル、ナカトミ・プラザを思わせるような東洋的オブジェクトでいっぱいなのだ。高層ビル=日本企業、問答無用の連想パターンが脳裏をよぎる。

ぶっつけろやっつけろスパイ・アクション、とでも表現すべきこの作品の世界観に必ずしも合致するものとは思えず、唐突な日本表現には少なからず戸惑いを感じた。我々が考える以上に、こうした和風的空間はガイジンさんにとってごく自然な、当たり前の発想になっているのだろうか。或いは
「007は二度死ぬ」等の影響や、その他60年代作品に元ネタとなる情景があったのかも知れないが…。SHOGOにおける日本三昧の残滓がふんわりと匂い立つ、Monolith 冬の新作であった。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Fox Interactive (発売元)
Monolith Productions (開発元)
Warner Bros.Online (JAVA必須)
Austin Powers (とりあえず公式サイト)
一期一会.com (開設意図不詳)
シナリオランド (シナリオとは何か)


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