ONI
Gathering of Developers / Bungie Software, 2001

西暦2032年、地球上にあった国家の8割が世界連合政府として統一を果たした近未来。政権下での生活水準は誰もがささやかな満足を感じられるレベルに安定し、その居心地は決して悪くない。徹底的な監視体制のもと、市民ひとりひとりの行動が常に見張られている息苦しささえ気にしなければ…キミはそんな未来の警察組織、TCTFの女性エージェントKonokoとなり、国家の安寧を脅かす凶悪犯罪組織 Kage に立ち向かう。自らをアニメ・アクション・アドベンチャーと銘打った異色作。


タイトル画面 期待を裏切らない純アニメ調の凄腕女隊員、コードネーム Konoko。背景に浮かぶ筆文字の「鬼」。勝ち負けで言えば、これは明かに負け、である。
あまりにも激しいイラストとの落差 ”Musashi 重化学工業”は違法な兵器の開発を行うKageの隠れ蓑だ。TCTF(Techno Crimes Task Force)の捜査官として颯爽と乗り込むKonoko。
小学生? ピンク髪に青リボン、純白ニーソックス。TCTFの本拠地で、あらゆる情報の整理・検索・伝達を取り仕切る、ロリコン型アンドロイド Shinatama ちゃん。
アニメへの想い、限りなく セル塗りアニメキャラ大集合。会話シーンにこうしたアイコンを添えて発言者の明確化と人物の喜怒哀楽を補足するSHOGOのやり口を踏襲している。
未来のひみつ道具 いったいこれは、何十年前の発想だろう。悪い奴らに誘拐されたShinatamaを救うべく、折り畳み式グライダーを装着したKonoko。物凄く、格好悪い。
血の流れないマンガ的暴力描写 弾薬が尽きたらジグザグ走行で敵に突進、殴り倒し相手の銃を奪って至近距離からとどめを刺す。銃撃戦と肉弾戦の絶妙なバランスは素晴らしい。
アニメだいすき! 胸の焼けつくような甘ったるさでいっぱいのオープニングムービー。バトルスーツの美少女、やたらとメカニックなデザインの敵兵士。ありがちである。
冗談のような漢字が並ぶHasegawa研究所 彼女の本当の名前はMai Hasegawaだった!という衝撃の展開。だが、急にまともな名前が出てきたことに対する驚きのほうが、よっぽど衝撃的だ。

いわゆるジャパニメーションから猛烈な影響を受けた、アニメ好きのガイジンさんによるアニメ尽くしのアニメチックなアクション巨編…こんな表現では生易しい。このゲームは、”ジャパニメーションそのもの”だ。あたかもそこには ONI という原作アニメがあり、それを忠実にゲーム化したような趣すら漂っている。特に「攻殻機動隊」に刺激されたという点は開発者も認めているが、もっと俗っぽい、マニア向けのOVA的なコンセプトが大きく働いている側面が強いように思う。

「みんなとは違う能力を持った美少女」 「自分の出生にまつわるしがらみと謎めいた研究」 「正義を貫くが故に所属する組織からも疎まれる」 「憎んでいた敵のリーダーが実は兄弟だった」 「唯一無二のお友達はアンドロイド」 「全てが整然と管理される支配的側面が強調された近未来の中央政府」 これらのプロットが ONI 独自のものでないことは明らかで、様々なジャパニメーションに触発されたガイジンさんの、アニメ偏向の終着駅と言っても良い。とにかく、彼らはアニメの見過ぎである。

タイトルに
ONI という言葉を選択した理由は、今ひとつはっきりしない。公式サイトには「日本語でゴーストやモンスター、我が子を失って怨霊と化した母親を意味する」との説明があり、Konoko という子どもを組織に奪われた母親、秘みつのクリスタル・パワーで鬼の力を得る人体実験などそれらしいエピソードはあるのだが、最も可能性が高いのは「ただ、語感がいいからなんとなく」だろう。

軽快なゲームプレイは往年の「ファイナル・ファイト」や「ダイナマイト刑事」を思わせる。主人公の視点で動き回る世界は自由度も高く、バラエティに富んだ技の応酬が楽しい逸品だが、レベルクリア毎に挿入されるズレ気味のアニメイラストがいちいち水を差している。しかし、アニメという原動力がなければ生まれなかったであろう作品に、これは虚しい感想だ。キャラクターデザインを担当したのは
Alex Okita という日系二世さん。彼のWebサイトを見て何かが納得できたような気がした。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Gathering of Developers (発売元)
Bungie Software (開発元)
www.okita.com (Bungie社のチーフアーティスト)
Noh Masks (能面に見る世界の鬼)
長谷川米のページ (冷や飯がおいしい)


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