Pearl Harbor
Zero Hour
ASAP Games / Simon & Schuster Interactive, 2001

1941年12月7日、ハワイ諸島オアフ島真珠湾。総計350機の奇襲攻撃隊によって炎と煙に包まれたあの忌々しい朝が、ゲームになって帰って来た!キミのパソコンで、今度はJAPを返り討ちだ!「午前七時大本営発表、帝国陸海軍は今日未明西大平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」良く晴れた冬の寒い朝、日本のラジオからは軍歌が延々と流されていたという。あれから60年、原潜に沈められた水産高校の実習船とウォルト・ディズニー社のラブロマンス巨編とによって再び注目を集めるパールハーバー。海の向こうのゲーム会社は決して見逃すことなく次々と商品化した。


沈む戦艦に飛び交う敵機 Pearl Harbor: Zero Hourより、ゲーム本編とは別に用意された真珠湾奇襲再現シナリオ。ユーザは一切操作不能、指を咥えて史実に見入る他ない。
たくさん壊そう! フィリピンのとある島に建造された日本軍の工場。なんら迷彩を施すでもなく、屋根に堂々と日の丸がペイントされているので、すごく分かり易いぞ!
潜水艦も出ます Pearl Harbor: Defend The Fleet、奇襲を受けたとは思えない駆逐艦の豪快な迎撃っぷりにガイジンさんも納得。実際の日本側損失は空母機28機。
タイトル画面一覧 各ゲームのタイトル画面。 ”Defend The Fleet”は最も有名な真珠湾奇襲のヒトコマ、米国防総省撮影の沈みゆくウェスト・バージニアを用いている。
沖縄近海にて Pearl Harbor: Strike at Dawn。戦艦大和に単機で挑むB-25の勇姿。ここまで接近して対空砲火ひとつなく、ずいぶん大人しい大和に仕上がっている。
複数形 輪転機を背景に飛び出す号外、JAPが踊る見出し記事。70年代の戦争映画を彷彿とさせるレトロチックなオープニングに、JAPという蔑称の原点が。
みっつの太陽 史実を無視した奔放で多彩なミッションが嬉しいBeyond Pearl Harbor: Pacific Warriors。南国のまばゆい太陽に零戦を追う爽やかドッグファイト。
ドクター・セイイチを撃て! 日本軍に占領された太平洋の島、ドクター・セイイチのシークレット・ラボを急襲し徹底殲滅。手作り原爆博士、ドクター・ラディアキとの奇妙なリンク。

ディズニーの話題作にあやかった真珠湾ゲーム全4作品。シミュレーション精度に程度の違いこそあれ、いずれもお手軽なコンバット・フラシムの域を越えず、日本観という点では特に何の意味も持たないだろう。そもそも、タイトルに”パールハーバー”を冠する必要性自体が希薄なものばかりで、Beyond Pearl Harbor: Pacific Warriors に至っては、ヨーロッパで単に Paciffic Warriors として売られていたのを、米国向けにパッケージし直しただけ、という荒業を披露している。

表題の
Zero Hour は映画版をノベライゼーションしたCD3枚組のオーディオ・ブック(朗読CD)を同梱し、あたかもディズニー公認ソフトであるかのように上手く印象付けている。Defend The Fleet は紙粘土を思わせる乾いたグラフィック、解像度の変更は決して許さない頑固一徹仕様。ロープライス・ロークオリティを貫く WizardWorks の持ち味が存分に生かされた一品。Geforce3発売に沸くユーザをあざ笑い、常に最新テクノロジーの3歩後を行く浮世離れした素朴さが味わい深い。

いっぽう、微妙な完成度のタイトルを湯水のごとく輩出する多作家仲間、Valusoftも面目躍如。場末の中小ディベロッパーによる”ちょっとしたゲーム”を爆安で売り捌くValu節が、真珠湾でも唸りを上げる、
Pacific Warriors。この4作品のなかでは緻密なモデリングと滑らかなテクスチャが際立っていたStrike at Dawn、ただいま売り出し中の3D描画エンジンを使っているだけのことはある。

史実に基づけばやられっぱなしの真珠湾という題材を、果たしてどう扱うのか興味深いところではあったが、案の定奇襲に対してはタイムテーブルを無視した猛反撃あり、戦争末期の海戦を主軸に日本の艦船をどかどか沈めて行くシナリオあり、ちゃんとガイジンさんの溜飲が下がるようにできていた。太平洋戦争をモチーフにした戦闘機ゲーム、という大きな括りのほうがより正確だろう。その点、真珠湾で延々と機銃を撃ちっ放す Defend The Fleet は、妙な凄みが感じられた。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Simon & Schuster Interactive (Zero Hour発売元)
ASAP Games (Zero Hour開発元)
ValuSoft (Pacific Warriors発売元)
InterActive Vision (Pacific Warriors開発元)
WizardWorks (Defend The Fleet開発元)
KOCH Media (Strike at Dawn開発元)
movies.co.jp (そしてブエナビスタ)
MARKのエッセイのページ (御年73歳)
豊かな環境のために (株式会社 松尾物産)
毎日新聞 (株式会社 毎日新聞社)


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