VR Sports
Powerboat Racing
Interplay Productions / Promethean Designs, 1998

世界各国の風景を特徴的に織り込んだ全8コースを舞台に、激しい水飛沫と気だるいエンジン音が錯綜する異色のモーターボート・レーシング。テクスチャの解像度が荒くスケール感は滅茶苦茶、操作性も決して快適とは言い難い作品だが、Direct3Dに対応した滑らかなグラフィック、とりわけ風景やボートが水面へ映り込む演出などは心憎い。JAPANと題されたコースが、およそ日本とはかけ離れた、問題含みのレベルデザインであることが判明している。Jap in the Boxの原点的作品。


唐突に大仏 スタート地点、唐突に存在する野ざらしの大仏様。柱の文字は中国のそれと混同され判別不能。誠意の欠片すら感じられない、悪質な構図である。
うさちゃん これがガイジンの考える典型的な日本の風景らしい。ウサギを型どった大きなアドバルーンが二つ、何かを問い掛けるようにゆらゆらと浮かんでいる。
京都 or 少林寺 立派な装飾の施された山門の石段、そこに若者が二人、眩しい白の空手着に身を包みひたすら蹴りの練習に励む。ストイックかつシュールな光景。
新幹線(三両編成) 青いストライブは東海道新幹線。夢の高速鉄道としてIgnitionで確認された赤色のほうも押さえておきたい。申し合わせたかのような三両編成が謎。
微笑する芸者 満を持して芸者登場。逆さに貼り付けられた「東 MC」「イースト」の文字に言葉を失う。日本語看板は思いの外少ない、”オブジェクト志向”の作品。
これぞニッポン THIS IS JAPAN 奥手にフジヤマ、手前に鳥居、桜並木には所々しだれ柳を配する小粋な演出。柱の上で蹴りを繰り出すカラテファイターの赤い胴着が水面に映える。

狂おしい充実ぶりを発揮する箱庭としての日本。様々な水上でのテクニックを駆使し、ショートカットを見つけ、200マイルリバーボートレースの勝利を得るのは君だ。Dethkarzの国内代理店もつとめたIGSが日本語版を売り捌いているタイトル。「世界8ヶ国のリバーレースポイントをアメリカ人の視点で再現」。同社による紹介記事の、この一文が全てを見事に言い当てている。

あまりにも象徴的で、手垢のついたオブジェクトの濫用。中国文化と日本文化の著しい混同。とりあえずゲイシャでお茶を濁してしまえという安易な下心・・・我が国の理解は本当にこのままで良いのだろうか?「ライバルがプレイヤーのボートを横切るとできる水面の波や水飛沫を、3Dエフェクトで極限まで再現」 できれば日本の風景も極限まで再現して欲しかったものだ。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Interplay Productions (発売元)
Promethean Designs (開発元)
IGS Corporation (国内代理店)
Guide to Japan (英語と独語による日本観光案内)
Karate Net (カラテマスターボードゲーム販売中)


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