Propaganda
Mekka & Symposium / Inf, 2001

近年参加作品のレベル向上著しく、意欲作が数多く集まるパーティーとして評価の高い、ドイツで開催されたMekka & Symposium 2001。そのPC Demo部門において第3位の座につけたメガデモは、シーンきっての親日派、INFが贈る待望の最新作。日本人アーティストの楽曲流用、プロモーションビデオ風の演出を踏襲しながら、やや方向性に変化を持たせた逸品。主にグラフィックまわりを担当し、グループの牽引者として活躍を続けるtmk氏の存在を中心に、彼らの製作履歴を辿った。


プロパガンダ 表題のPropagandaより。BGMはコーネリアスによるLast Night in Africa。従前の”近未来アイドル路線”から一転、力強く荒々しい味わいが印象的。
ラーメンの夢 (ramen no yume/Scenest Rage'98) グラフィック部門への即興出品?「今朝、腹ペこの自分にラーメンヌードルを恵んでくれた某君に捧げる」 とか。
美学宴行来宴学 (joLLy apoLLo/Summer Encounter'99) レイトレース美しい64Kの名作。3D空間に半透明の漢字や女性の写真を重ねていく INF 的やり口が光る。
絵 (yume 2/The Party'98) Yume 2000の前身にあたる作品。BGMは相川七瀬のVelvet Moon。日本人歌手の楽曲を流用する手法はここから始まる。
爪をかじる (love creation mk2 -urban love/The Party'97)love creation MAX の前身にあたるメガデモ。後の yume2 で見られる映像表現が出揃っている。
らんま? (Christianity/Odyssey'95) INF にしては珍しく漫画絵・アニメ絵が多用された異色作。初期作品とあって内容も現在とはかけ離れたまったりムード。
当時は白黒作品が多い (the ultimate love creation/Summer Party'96)ラブクリ・シリーズ(嫌な略称)の出発点?お馴染みの日本人女性や日本語が全く絡まない構成。

GUSがないと音の出ない、往時のメガデモをずっと見ていた。48本のタバコが煙をあげた。おぼろげながら、全体像が見えてきたように思う。INF はグループとしての活動期間が非常に長く、メンバーも年を追うにつれ徐々にその顔ぶれを変化させている。しかし、そこには常にTom M. Kalland(tmk)氏の姿があった。かつてはコーディングとアートワークを兼務していたが、最近は絵描きさんに特化した役割を担っている様子で、Propaganda では油絵風の力作が素晴らしい出来。

ジャポニズムへの傾倒は love creation mk2 -urban love が起点になっているようだ。これよりも古い作品は”INF らしからぬごく普通のDOSデモ”が殆どで、わずかに Christianity のアニメイラストが
高橋留美子の大ヒット作を思わせる程度。未見のものも多くあるため断定は難しいが、彼が日本へ並々ならぬ関心を持つに至ったきっかけ、それはもしかすると和製アニメやマンガの類だったのかも知れない。そのまま底無しオタク沼へ没入してしまうガイジンさんの、なんと多いことか。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Hornet Archive (デモのダウンロード)
ftp.dti.ad.jp/pub/scene (デモのダウンロード)
Scene Research Station (デモ系ニュースサイト)
Walking in the Rhythm (音楽のページなど)
The West of Tokyo Club (東京の西)
七ちゃん劇場 (七ちゃんファン)


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