Rising Sun
TalonSoft, 1999

第二次世界大戦における、日本軍と連合軍との地上戦を題材にしたシミュレーションゲーム。マニラ、シンガポール、サイパン、沖縄などの史実に基づいたシナリオに加え、鹿児島や神奈川を舞台にした架空の本土決戦を「楽しむ」こともできる。バランス良く練り込まれたゲーム性と、その時代考証の緻密さで海外では評価も高い。数多くのウォー・ストラテジーを手掛ける開発元の意欲作。原爆ふたつ落としても物足りない、パール・ハーバーの仇は本州上陸で!アメリカ人延涎の一品。


タイトル画面 シダの生い茂る鬱蒼とした密林のなか、日の丸の逆光に照らされる黒い緑色の兵士がひとり。彼が日本人なのかそうでないのかすら判然としない。
攻めるもの守るもの MAIN EVENTと題された架空の本土決戦シナリオは、1946年3月1日、東京の南南東70km、鴨川が舞台となる。海岸に押し寄せる連合軍の上陸艇。
聖戦の魔手 極東の小さな島国から、アジア大陸へ赤い魔の手が伸びてゆく…。当時のアメリカで制作されたプロパガンダ映画に、同様の映像表現が存在する。
まぼろし戦車 来るべき本土決戦用に温存されたまま敗戦を迎え、歴史に埋もれていった三式中戦車。対戦車の市街戦を想定し設計された、聖戦の忘れ形見。
硫黄島 オープニングムービーのヒトコマ。バターンやシンガポールなど、日本軍と連合軍の戦闘地となった場所が、実際のフィルムを用いて次々と流される。
本土防衛戦線 トーチカ・塹壕を築き鬼畜米英を迎え撃つ我らが日本陸軍。軍刀を振りかざし士気を上げるオグラ大将。キーボードのBを押しBanzai Attackを期する。
鼻の穴が良く見える バンザアアアアアイ!日本兵の万歳コールにたっぷりエコーを効かせ、ガイジンさんの不安感を煽る。ずいぶんと気味悪い声に聞こえたことだろう。

六角形のマス目から構築されたフィールド、古き良きターン制、こだわりの2Dグラフィック。極めてオーソドックスな、老舗の味わいを噛みしめるべき逸品。PCゲームはすべからくシミュレーションたるべし、とにかくただひたすらに渋いストラテジー道。現在シミュレーションゲームというジャンルでも主流になりつつある3D化の流れで見てしまうと、どうしても地味な印象は拭えないのだが。「ゲームの面白さに絵は関係ない」 ポリゴン嫌いのドット絵マニアには堪らない出来栄えだ。

占領地で万歳しながら旭日旗を掲げる帝国陸軍兵士の姿、モノクロの世界のなかで命を賭けている男たちの表情…当時の資料写真が随所に織り込まれ、エンターテイメントとして割り切って楽しめる程度の、絶妙な重苦しさが醸し出されている。日本軍の攻撃中、唐突に流れ始める軍歌、メニュー画面では琴の静かな音色がBGMだ。戦時を生き抜いた人がどう感じるのかは知らないが、こういうテーマがゲームとして遊べる時代になったということは、素晴らしいこと…なんだろう。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

TalonSoft (開発元)
MicroMouse (国内代理店)
Mainichi Interactive (おおきな新聞屋さん)
戦史研究 (科学的に戦史を研究)
The George English Company (いろいろ)


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