Sudden Strike II
CDV Software Entertainment. / Fireglow, 2002

『O氏から電話があった。彼とは僕がドイツの高校4年生だった頃からの知り合いだ』 ドイツを拠点に演劇活動を続ける日本人俳優 Yuki Iwamoto氏は、”音声録音記録”にこう記している 『今度サッデン・ストライキ2というコンピューターゲームに第二次世界大戦の日本軍が出てくるらしい。そこで日本語の命令とドイツ語の日本語訛りな解説が必要らしい』 … 腐れ縁から始まった仕事、それはあの、サッデン・ストライキ2の日本語音声収録だったのである。古き良きドット絵の箱庭に散らした芥子粒の如き兵士達、拘りのクオータービューによるちまちまRTS、第二次つぶつぶ世界大戦。


ぷちぷち キャンペーンモードで操る日本軍、その舞台は太平洋戦線の島々。当たり判定があるとは知らず、滑走路で友軍機に轢き殺される兵士のかなしみ。
とりあえず鳥居 沖縄のようなそうでもないようなアジア風の集落。鳥居に集う人々に野戦砲、自走砲や自動貨車。村の鎮守の神様の、今日は目出度いお祭り日。
忍び寄る日本兵 米英両軍完全粉砕”戦勝ムービー”。「強力な武器がなくとも、日本の兵士はサムライのようによく闘い、決して諦めなかった」 とお褒めの言葉が。
A demonstration of the flexibility of my facial muscles. 俳優・Yuki Iwamoto。「急げ、いそげ」 「我が軍に勝利あり」 「攻撃 開始ぃっ」 朴訥・明朗・淡々とした口調が印象的な日本軍兵士の声の主である。
Contact Sheet 写真はイワモト氏運営のドイツで役者より引用。サイトには撮影日誌や現場のスナップ、そのほか雑多なコラムが綴られておりかなりのボリューム感。

Impress GAME Watch記事上で中村聖司記者が間抜け呼ばわりし、その上 「日本人にとって大きなマイナス」 「誰がアフレコしたのか」 「これ以上ないぐらいの朗らかな声で棒読み」 と散々に愚弄した日本語音声が、実はプロの役者さんによるものであった。声をあてたご本人の顔写真を上目に見ながら色々書くのも気が引けるが、確かに緊迫感はゼロに近いと言っていい。ちょっと日本語のできる外人さん、若しくはその辺でビール飲んでた日本人留学生? という感じの演技である。

『スタジオ入りした。なんと監督が3人もいる (中略) 4時間近く立て続けに録音は行われた。彼らはスタジオの窓の外で涼しそうな表情でコーヒーを飲みながらああだ、こうだとやっている。こっちは一人でかごに閉じ込められた鳥のように窓越しから来る彼らの希望通りの色、形をした卵を、冷汗をかきつつ産むのに専念した。まあ、しかし、それでも皆結果にはまずまずの表情を示していた。』 …
サッデン・ストライキ2 というタイトルの”音声録音記録”はそう続いている。

淡々としながら急に裏返る声、一本調子で抑揚に乏しい声。それでも現場にいた ”ゲームメーカーの監督” は
「ありがとう、いい録音が出来たわ」 と評価したようだ。なるほど、恐らくあの素っ頓狂な声は、監督たちの希望だったのだろう。つまりイワモト氏は ”ドイツ人にとって日本語らしく聞こえる日本語” を要求されたのではないか? 言葉ではなく効果音としての日本語、芸人の偽中国語のようなものだ。収録のメインは尺の長さからいって 「日本語訛りのドイツ語によるミッション解説」 であった筈。しかしこれは英語版を購入した筆者の環境では残念ながら聴くことが出来ない。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

CDV Software Entertainment (発売元)
サドンストライクU日本語版公式サイト (国内代理店)
ドイツで役者 (内容充実・面白いです)
Impress GAME Watch (定番)


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