StarLancer
Microsoft / Digital Anvil, 2000

22世紀も半ばを過ぎた頃、アメリカを中心とした西側諸国同盟は、多くの障害に直面しながらも果てしない宇宙空間の開拓を続けていた。太陽発電による惑星の植民地化、新資源の開発、誰もがそこに輝かしい未来を感じていた…しかし、火星軌道上を周回していたフランスとイタリアの艦隊が、東側連合の奇襲によって全滅、事態は急変する。真っ赤な星を機体に浮かべ、コミュニストが襲い来る!実にオーソドックスな東西対立を物語の主軸とした、スペースコンバットシミュレータ。


我魂飛翔龍如 西側諸国同盟軍の空母、出動を控えたパイロットたちが一堂に会する作戦会議室。アメリカ、イギリス、そして日本のイメージを重ね合わせた紋章。
NAGINATA「イラスト版」 日本製のNAGINATA号は、その俊敏な動作で敵を執拗に追い回すことが可能だ。スペクトラル・シールドによる強力なバリア機能をも備えている。
NAGINATA「実写版」 宇宙の正義と世界の平和を守る、良い子の西側同盟軍。我らが日本も100年後には、国際的軍事行動を心置きなく満喫できるようになったようだ。
コールサイン・ショーグン 第409飛行大隊、通称”RONIN”を率いるMANZO TAKAMITSU。精鋭揃いの同盟軍のなかにあって、最も畏怖されている最強部隊のひとつだ。
Mukai Yoshinobu艦長に敬礼 既に幾多の敵機と交戦し、満身創痍の出撃隊を襲う大型敵空母。颯爽と救援に駆けつけたANS Yamatoが、怒涛のミサイル攻撃で徹底殲滅。
SHROUD アメリカ海軍が最新の技術を結集して作り上げたプロトタイプ機。NAGINATA同様、機体側面に漢字らしき殴り書きが窺がえるものの、詳細は不明。

WingCommanderシリーズでその名を轟かせたChris Robertsが、Digital Anvil社を立ち上げて放つ期待の新作。「思った通り、なんらかの予想だにせぬ事態に直面する」多彩なミッション、好戦的な気分を高揚させずにはいられない、宇宙戦艦モノの王道とでもいうべき劇的なストーリー展開。虹を水に溶かしたような星雲が彼方にぼんやりとひろがり、鈍い金属の質感が空母を重厚に彩っている…グラフィックや各種エフェクトの類も隙なく丁寧に作り込まれている良作。

だが、WCの旨みを手堅く纏め上げた反面、やや新鮮味に欠ける印象が残るのは否定できないところだ。全体を通じて回帰的なノスタルジック志向を色濃く感じさせる作品で、パッケージ・イラストもあからさまに泥臭い。”未来の闘う飛行機”を背景に、壮年の男女が腕を組んで並んでいるという素朴な構図が、80年代の子ども向け科学雑誌のようなタッチで描かれている。

世紀を越えてなお、西側諸国の一翼をしっかりと担う日本の健在ぶりに、ひとまず安堵感を覚えるのも良いだろう。そこにあるイメージは自衛隊のそれではなく、かつての大日本帝国の姿に近しいものではあるのだが…続編としてアナウンスされているFreeLancerの動向に注目したい。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Microsoft (発売元)
Digital Anvil (開発元)
Naginata Web Site (薙刀道場)
Ronin Publishing (ドラッグ関連書籍)


BACK