SuperKarts
Virgin Interactive / Manic Media, 1995

古き良きDOS時代の微笑ましさあふれる3Dカートレーシング。世界8ヶ国を舞台にしたコースは引っ掛かりが多く、はまると抜け出せないヘアピンカーブの連続だ。常に徐行を心掛けろ!爽快感を微塵も感じさせない全16レベルはManic Media社独自の描画エンジン、RT3Dで構築されている。巨大なピクセルがちらつく低解像度スクリーン。次のカーブは右曲がりなのか左曲がりなのか?登場する日本人ドライバーはAKI SUN、Japan Tokyoと題されたコースに貧弱な日本語表現を見た。


アキサン それぞれ出身地を異にする8人の熟練ドライバー。我らが日本からはAKI SUNがエントリー。豊満に肥えたその顔面に日の丸の鉢巻が凛々しい。
もち東京ヨ 夜の街並みを彩るネオンサインが”もち東京ヨ”と告げている。果てしなく遠くに続く高層ビル群、眠ることも知らずに輝き続ける彼らが想うものとは。
ヨち東も京 日本語の素材がこれしか入手できなかったのだろうか? 彼らは全五文字をランダムに並べ替え、コース上に延々と散りばめるという凶行に及んだ。
国旗登場 ホームタウンを華麗に疾走するAKI SUNの横顔を、国旗とともに収めた一枚。どの角度から見ても結局は「整備員によるテスト走行」になってしまう。
表彰台の白き肥満児 世界の並み居る強豪を制し、見事優勝の栄冠を手にしたAKI SUN。真紅のブーツに純白のツナギ服がどうみてもやはり修理工場の作業員である。

日の丸と、僅か五文字の日本語を使い回し東京を演出するつもりだったのだろうか。素材の収集と検証を怠り適当にお茶を濁すガイジンさんのいつものやり口は、常に新鮮な驚きと哀しみを我々に与えてくれる。加えてあからさまなまでに不恰好に描かれたAKI SUNの風貌からは、その背後に潜む黄色人種への根拠なき優越感、或いは蔑視的世界観を窺えるようですらある。

だが真に驚くべきは、昨今のグラフィカル・アプリケーションの目覚しい表現能力向上なのかも知れない。当該タイトルは1995年にリリースされているが、目まぐるしい技術の進歩はあらゆるソフトウェアを過去の遺物へと変えていく。21世紀を目睫に臨んだ我々は、これからどんな驚きを経験することになるのだろうか。果てしない成長期の狭間にSuperKartsをプレイするのも一興だろう。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Manic Media (開発元・同名他社?)
Virgin Interactive (発売元)
全日本ネオン協会 (ネオン工事技術者試験)


BACK