Test Drive 5
Accolade Studios / Pitbull Syndicate, 1999

世界各国の美しい風景、特徴的な建造物をたっぷり詰め込んだ正味10コースのボリューム感、最大の持ち味であるリアル志向のコースデザインも健在、ついにシリーズ第5弾を迎えた公道レーシングの長寿タイトル。前作の京都市街に引き続き、本作では Tokyo,Japan と題されたフィールドで再び日本人(の一部)の期待に応えた快作。車窓から覗く首都東京の見せた雑多な表情は、他に類を見ない”新鮮な素材と見せ場”にあふれ、その高い日本再現性には一見の価値があるだろう。


東京駅 赤レンガでお馴染みの東京駅を再現。歩道には落葉した銀杏の木をさりげなく配する細やかな演出が光る。この”普通っぽさ”がタイトルの強みだ。
商店街を抜ける 極端に道幅の狭い駅前の目抜き通りといった風情。朝定食や漢方薬の幟が色とりどりに街を汚す姿は全国的にお馴染みのありがちな光景だろう。
「演芸場」も確認できる 突き出し看板の左からソルマック胃腸薬、ドッグマン、ディクトンベビー。そしてカステラ文明堂。高密度日本語看板群を事も無げにあしらうテクニック。
皇居の玉砂利を蹴って 皇居の眼鏡橋(二重橋)のつもりなのだろうが、アーチがひとつ足りない。お堀の水面には反射効果があって、とりあえず片眼鏡にはなっているが…。
家電フロアは6階です ♪安さ爆発さくらや、でお馴染みの垂れ幕。ストライブの色味から察するに、一階部分は間違いなく大手コンビニエンスチェーンam/pm の店舗だろう。
池之端文化センター 明治生命、富士カードはとにかく、池之端文化センターというマイナー所を押さえた選択眼に脱帽。ガードレールの銀杏マークは23区内では定番か。
路駐の昼下がり 鉄道のガード下、アーチ型スペースに軒を連ねる料理店。打ちっ放しのコンクリに、黄と黒の進入防止柵。さり気なく小奇麗に空間を纏め上げている。
(警)視庁 車体側面、(警)視庁が中途半端に浮かぶパトカー。ナンバープレートは何故か緑。パトランプも不自然に白く抜け、明らかに前作のそれより劣る。
考える人は独学する 薬屋の看板が続く。ノイビタエース、ナポリンEB錠、ルル内服薬。右手には駅前留学NOVA。道路の両側はこうした看板群で埋め尽くされている。
千葉方面もフォロー 東関東道 習志野 本線料金所。有料道路の出入口を見事に再現。金を支払う素振りすらなく猛スピードで走り抜ける車に、渋滞という概念はない。

前作と同様の手法で、実際に日本の風景を収めた何らかの資料写真からテクスチャを生成しているのだろう。節操なく奔放に掲げられた無数の公告看板は、景観の保護など考える余裕もなく、ただひたすらに成長を続けてきたこの街への皮肉のようにも映る。東京の街並みを突き詰めた結果として、頷ける部分は確かにあるのだが…。ともあれ、捏造行為 (カタカナや漢字の無意味な繋ぎ合わせ) を排した安定感は揺るぎなく、家族揃って楽しめる日本語には仕上がっている。

皇居周辺をイメージしたであろう日本庭園風のフィールド、鉄道のガード下、アーチ型スペースに軒を連ねる料理店など、気の利いた演出が随所に見受けられ、全体としてその完成度は非常に高い。だが、前作に比べオブジェクトの配置バランスが悪く、看板類の多用が目に付き日本再現性を損ねている側面があるのも事実。秋葉原等の電気街的光景を過剰に反映してしまったようだ。なお、残念ながら次回作(Test Drive 6)では、日本の都市を題材にしたコースは収録されなかった。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Accolade Studios (発売元)
Pitbull Sydicate (開発元)
JoyJoy-Bridal Online (結婚式場検索)
AJ's WonderLand (世の中不思議なことばかり)
千代田区探訪 (千代田区を訪ね歩く)
Dicton (物流・情報提供に創造性をもって貢献)


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