Throne of Darkness
Sierra On-Line / Click Entertainment, 2001

一大名につきそれぞれ七人のパーティーが組まれた、総勢28人に上るサムライ天国。クラン徳川の魔術師 Sugawara No Michizane、クラン織田の剣士 Imagawa Yoshimoto、クラン豊臣のリーダー Sanada Yukimura、クラン毛利の弓師 Sasaki Kojiro。己を過信するあまり、「もう奴の城は陥落した頃合いだろう」と早合点した暗黒将軍Zanshinが、遠征中の自軍へ引き揚げ命令を出してしまうという大チョンボ。そしてキミのクランだけが、生き残ったのだ。蜘蛛巣城(Throne of Blood)や七人の侍、真田十勇士などの古典的侍ドラマを下敷きに、新世紀の戦国冒険活劇は佳境を迎える。


虎皮タペストリー 城の内部はふすまや障子、木戸で仕切られており、モンスターが部屋ごとに平均4,5匹”待機”している。装備を整え一気に突入する緊迫感が良い。
鳥居の下で Yagyu Munenori's Mansionにて。鳥居や仏像、駕籠、石燈篭、道祖神のような石碑に至るまで、フィールドに散らばるオブジェ類は手の込んだ作りだ。
がいこつ多め さりげなく淡々と流れるBGMは、琴や鼓の音色を基調にした味の民芸みたいな環境音。深い緑が目にしみる、ここはTake Forest。竹林の七戦士。
木目が心地よい クラン豊臣の城。敷き方以前にサイズまで狂い始めているが、畳の縁(へり)のバリエーションを使い分け、各フロアのアクセントにするのは面白い。
厄介な陰陽師 Abeno Seimei による火炎弾。城門をくぐった先の中庭には、どの城にも必ず倒すのに厄介な魔術師が本丸への入場を阻止すべく待ち構えている。
最終決戦 最終決戦の舞台もやはり城になるが、階層を上って行くにつれ、結局だんだんとDiablo染みた光景に。元馬鹿殿様・魔王Zanshinとの壮絶なバトル。

歴史シミュレーションを謳うと、どうしても隙なく作るというのは難しい。だが歴史エンターテイメントとして開き直れば、無茶が無茶でなくなるばかりか、史実に拘るのは全く無意味で興を殺ぐだけという論法から、”美味しいとこ取り”も可能になる。ガイジンさんによる武士系ソフトの多くは奇妙な思い込みが暴走していたり、或いはひどいおちゃらけをぶち上げていたりと両極端で、いつも歯がゆく腰の落ち着かない印象があったが、当該作品は非常に素直な気持ちで接することができた。

しかも日本表現が適当で投げやりなのかというと、決してそうとも限らない。例えばグラフィック的な見場は相当に作り込まれ美しく、かつ自然な情趣を生み出しているし、「サムライの名前、28人も調べるのはかったるいぜ、ボブ」 ということで、ガイジンさんの捏造したいい加減な現代姓がひとつふたつ混じっていても不思議はない所だが、そういったインチキもない。Nomi No Sukune(野見宿禰)など神話から引用された人物は、このゲームで初めて知る名前まであって驚かされる。

RPG Vaultで
インタビューに答えているが、製作には複数の日本人、日系二世が携わっており、今は亡きPlayOnline誌の関連記事(1999年5月号)では 「日本らしさを演出する役目の後藤耕史さん、キャラクターデザインを努める赤木俊郎アーロンさん」 と写真入りの紹介まで載っている。説明書のスタッフ一覧を確認すると、Kei Kobara さんなる同胞も参画している様子で、Special Thanksには Ichikawa Gan and Goemon Sushi を含む更に数名の日本人名が確認できた。

日本人だから日本史に詳しく当時の情景を描くことができるかと言えば、必ずしもそういう日本人ばかりいるわけでもないだろう。しかし少なくとも全体的な構成、とりわけマップの質感、色合い、小物・武器・武具のあれこれを、邦人が見て殆ど違和感なく仕上げるという点で、大きなプラス要素となっているのは間違いない。その反動かどうかは知らないが、敵の名前、刀の銘にはとんでもないのが多く混じってはいるが…なかでも幟に「風森火山」とあったのは確信犯としか思えない。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Sierra On-Line (発売元)
Click Entertainment (開発元)
滋賀県学習情報提供システム (におねっと)
1-World Festival of Foreign Films (映画やら地球儀やら)
味の民芸ホームページ (手づくりうどん)
大矢畳店 (充実の畳情報)
RPG Vault (IGN系列のゲームサイト)


   
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