Tsunami 2265
Got Game Entertainment / Prograph Research, 2002

日本に存在したあらゆる文明の成果が突然の巨大な津波に押し流され、世界中の国々もまた、後を追うように大洪水の藻屑と消え去った、西暦2118年。自然の女神から全人類への贈り物は奔流とみじめな瓦礫の山だった…。22世紀初頭、世界各地で独立した都市国家を成していた生存者たちはついに「地球共和国」を打ち立てるも、平和的協調は案の定長続きせず、残された僅かな資源を巡り独裁者が跋扈するお馴染みの荒んだ近未来が始まった!キミはサムライ Naoko Hikari やローニン Neon Shima となって謎めいた秘密を適当に暴きながら、悪いやつらを懲らしめてください。


力強く逃走中 果てしなく青い和製アニメの空の下で、荒野を駆ける一機の Armored Katana。その想いがトゥーンシェーディングと結びつくのは自然な流れだろう。
キャバクラ嬢? 津波によって全てを失い、帝政のもと復興途上にある西暦2265年の日本。現皇帝(画面右)に仕えるサムライNaoko Hikari。塩沢ときに憧れる26歳。
拳銃を突きつけ合けあうタイツ男ふたり 謎がなぞを呼ぶ超エネルギーE.L.EN.A.。プレイヤーはこのスーパーパワーを巡り、ロボットに乗って闘ったりロボットから降りて闘ったりするのである。
マズル(銃口)フラッシュ Anime-Style 3D Graphics を標榜するだけあってその映像は非常にシャープ。メックの質感はつるつるとして目に心地よく、デザインも悪くはない。
髪のお手入れ毎朝5時間 幼くして母を亡くしたNaokoは、色々頑張って武士道を学び、Shagei流のマスターとなり、20歳にしてShogun直属8th-level Samuraiとなるのであった。
アニメ風に分割合成してみる 大名Kenji Sugiyamaを殺され岬の突端で打ちひしがれる28歳、Neon Shima。赤タイツは敵役のヤングローニン、Tetsuo Sugiyama (こいつが犯人)。
実は右が女神 E.L.EN.A.は歴史上 Hela(天界の女神)やJuno(ローマの最高神の嫁さん)、そして Izanami として人に知られた神の化身だった、というオチで大円団。
♪ はしーり抜く つよい背中がー 平板で単調なフィールドデザインに工夫を凝らし、メックのダイナミックな動きをもっとアピールできれば、印象がかなり違ったようにも思われるが…。

「Japanese manga cartoon のフィーリングを盛り込むこと、これはひとつの大きな目標だった」 製作チームへのインタビュー記事を参照するまでもなく、我々はこの作品が何を目指しているのかすぐに解っていたし、加えて 「その試みは成功したと思っている」 と明言する彼らの前途は決して明るくないだろうことも予想できた。何しろローニンやショーグンの出てくる近未来ロボット活劇に、ありがちな超エネルギーを持ち出すあたりまでは、あざといくらいに隙だらけで、事前の情報を見る限りにおいて (絶望する準備は整えておけ) と言わんばかりの雰囲気すら漂っていたのだから。

しかし少なくとも、状況は変わったのである。それはミッション毎に何の前触れもなくいきなり挿入される、Miyamoto Musashi 「The Book of Five Rings (五輪書)」からの引用朗読シーンのせいなのか? それとも津波によって全てを失った極東の島国が、皇族やショーグンやサムライを育みつつ再び天高く高層ビルを打ち立てる物語のせいなのか? 或いはナオコの水商売染みた化粧は一体どういうことなのか? あの容姿ではヌードパッチあてても薄気味悪いだけではないのか?

原因を特定するのは難しい。けれどもゲームプレイやストーリーが切ないほど真面目で真摯に作り込まれている事実。そのことに気が付くのに大した時間はかからない。色眼鏡で臨んだ日本人プレイヤーを襲うのは、アニメを心の底から愉しみその想いを大切なものとして持ち続け、ついにひとつの作品を世に送り出した彼らに対する、ただ後ろめたい”気まずさ”だ。
昇剛、そしてジャパニメーションのうねりは津波のようにイタリアへ押し寄せ一部マニアを呑み込んでいく。

欧州の一部、さらに何故か中国市場では2年ほど前にリリース済みという奇妙なタイトル。キャラクターや人型ロボットに施されたトゥーン・シェーディングは今でこそありふれた演出だが、当時はまだ目新しく斬新な絵に映ったのだろう。Tsunami は文字通り「津波」の意で英語化しているものらしく、Web Derectoryには平然と
[Tsunami] の項目が存在する。もっとも世界的には津波に無縁な国や地域のほうが遥かに多く、相当する表現を持たない言語があっても不思議はないが。

コンテンツ作成にあたり、以下のサイトより引用或いは抜粋をさせて頂いた。

Got Game Entertainment (発売元)
Prograph Research (開発元)
東宝 Web Site (夢と感動のおもてなし)
Beverley Hood - Arts Projects (Shunga SSなど)
Action Vault (お馴染みのign系列)
Google Directory (Open Directory連動)


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